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家なき子特例ってなに?特例を受ける際の1つの注意点

目次

家なき子特例とは

家なき子特例は、非同居親族が宅地を相続した場合に「小規模宅地等の特例」を適用できる制度の通称です。

この特例を利用することで、相続した土地の評価額を最大80%減額することが可能となります。

家なき子特例の4つの要件

家なき子特例を適用するには、次の4つの要件をすべて満たす必要があります。

  • 亡くなった人に配偶者や同居親族がいない
  • 相続開始前の3年間、持ち家に住んでいない
  • 相続した宅地を、相続開始から10か月間にわたり所有している
  • 相続開始時に居住している家屋をこれまで一度も所有していない

それぞれを詳しく解説していきます。

亡くなった人に配偶者や同居親族がいない

被相続人に配偶者(妻・夫)や同居している相続人がいないことが条件です。

例えば、被相続人が結婚していなかった、離婚していた、または配偶者と死別していた場合、さらに相続人となる親族と同居していなければ、この要件を満たします。

例として、父親が他界し、母親が一人暮らしをしていた場合に母親が亡くなったケースで、子どもが他県で独立している場合は、この条件に該当します。

相続開始前の3年間、持ち家に住んでいない

相続開始前の3年間、一定条件の「持ち家」に住んだことがない相続人が対象となります。

持ち家の判定基準は以下のとおりです。

  • 相続人自身が所有する家
  • 配偶者が所有する家
  • 相続人の3親等以内の親族が所有する家
  • 特別な関係がある法人が所有する家

例えば、夫が所有する家に住んでいる妻の場合、その家が配偶者の持ち家に該当するため特例の対象外となります。

一方、いとこの家(4親等以上)に住んでいた場合は、特例の対象となります。

相続した宅地を、相続開始から10か月間にわたり所有している

被相続人が亡くなった日(相続開始日)から10か月間、その宅地を売却せずに所有し続けている必要があります。

相続税の申告期限は相続開始から10か月以内とされており、それ以前に売却した場合は特例の対象外となります。

よくある質問として、「申告期限を過ぎたらすぐに売却しても問題ないですか?」というものがあります。

この場合、申告期限後の売却は法律上問題ありませんが、申告期限前に売買契約や所有権移転登記を行うと特例の適用が否定される可能性があるため注意が必要です。

相続開始時に居住している家屋をこれまで一度も所有していない

この要件は、平成30年(2018年)の法改正で追加されました。

相続人が相続開始時に住んでいる家を過去に一度でも所有していた場合は「家なき子」として認められません。

家なき子特例が適用される範囲

家なき子特例を利用する場合、すべての土地が対象になるわけではありません。

特例が適用されるのは「被相続人が居住していた宅地等」で、限度面積は330㎡(約100坪)です。

例えば、相続した土地が450㎡だった場合、330㎡までが特例の対象となり、残りの120㎡は減額されません。

特例で注意すべき1つのポイント

家なき子特例を受けるには、相続税の申告期限までに遺産分割をしておく必要があります。

申告期限までに誰が土地を相続するかが決まらないと特例を使えません

ですので、特例を利用するためにも遺産分割をスムーズに進めるのがポイントになります。

遺産分割をスムーズに進めるには

遺産分割を行うためには、まず財産を把握することが必要不可欠。

もし遺産分割した後で、他に財産があることが発覚した場合はイチからやり直しなので要注意です。

余計な時間と手間もかかるので、最初の段階で財産を正確に調査する必要があります。

財産としては主に以下のものが挙げられます。

  • 預貯金(銀行・信用金庫・郵便局など)
  • 不動産(土地・建物)
  • 株式・投資信託
  • 生命保険(契約者と受取人の確認)
  • 自動車
  • 貴金属や宝飾品

財産調査で問題になるのは不動産

財産調査を行う際に問題になるのが不動産です。

なぜなら不動産の価値は

  • 築年数
  • 周辺環境
  • 地域ごとの市場動向

などによって大きく変動するため、一般人が価値を正確に判断するのは困難なためです。

それに査定にある程度時間がかかるので、先に査定をお願いしておくとスムーズです。

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相続税の申告期限はわずか10ヶ月

相続税の申告期限は10ヶ月と意外と時間がありません。

10ヶ月以内に遺産分割を終わらせて、特例の申請手続きもしておく必要があります。

遺産分割はトラブルが付きものなので、早めに取りかかって損はありません。

まずは、時間のかかる不動産の査定をお願いしておいてくださいね。

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