単純承認とは？デメリットとまずすべき1つのコト

単純承認とは

相続手続きの中で最も一般的なのが「単純承認」です。

これは、被相続人が遺した財産も負債も、すべて無条件で相続する方法です。特に、財産が負債を上回る場合には手間が少なく、シンプルな手続きで済むため、多くの方に選ばれています。

この記事では、単純承認の基本的な仕組み、メリット・デメリット、注意点について詳しく解説します。

単純承認の仕組み

単純承認を選択する場合、被相続人の財産（プラス）と負債（マイナス）の両方を無条件で引き継ぎます。
これは、相続放棄や限定承認を選択しなかった場合、または特定の行為によって自動的に単純承認とみなされるケースも含まれます。

単純承認となるケース

1. 相続開始後3か月を過ぎた場合
   限定承認や相続放棄は、相続が開始したことを知った日から3か月以内に選択しなければなりません。この期間を過ぎると、自動的に単純承認となります。
2. 遺産を処分した場合
   被相続人の遺産を売却したり使用した場合、その行為が「単純承認」とみなされます。
3. 相続人が単純承認を明示的に選んだ場合
   財産がプラスであると確信している場合は、単純承認を選択するのが一般的です。

単純承認のメリット・デメリット

メリット

1. 手続きが簡単
   単純承認は特別な申立てが不要で、相続放棄や限定承認のような煩雑な手続きが必要ありません。
2. 財産をそのまま受け継げる
   財産や不動産、動産を自由に処分でき、資産運用や活用がしやすい方法です。
3. 相続税の申告がスムーズ
   単純承認では、全財産をそのまま相続するため、税務上の計算が比較的シンプルです。

単純承認のデメリット

1. 負債も引き継ぐリスク
   被相続人が抱えていた負債も無条件に相続するため、財産よりも借金が多い場合には大きな負担となります。
2. 相続放棄や限定承認ができなくなる
   一度単純承認とみなされる行為を行うと、他の選択肢は取れなくなります。

単純承認の前にすべきこと

何も考えずに単純承認を選ぶのはキケンです。

限定承認について考える前に、まずは遺産をチェックしましょう。

なぜなら単純承認は、借金やローンなどマイナスの財産も含めてすべて相続してしまうから。

「プラスの財産だけ受け取る」ということは法律上できません。

そのため、財産調査を十分に行い、全体の財産状況を把握した上で判断することが求められます。

財産としては主に以下のものが挙げられます。

• 預貯金（銀行・信用金庫・郵便局など）
• 不動産（土地・建物）
• 株式・投資信託
• 生命保険（契約者と受取人の確認）
• 自動車
• 貴金属や宝飾品
• 借金やローン

すべてを調査したうえで、

• プラスの財産＞マイナスの財産

であった場合は単純承認で良いでしょう。

財産調査で問題になるのは不動産

財産調査を行う際に問題になるのが不動産です。

なぜなら不動産の価値は

• 築年数
• 周辺環境
• 地域ごとの市場動向

などによって大きく変動するため、一般人が価値を正確に判断するのは困難なためです。

ですので、家や土地の資産価値を調べる場合は、不動産屋に依頼するしかありません。

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